その我慢、本当に必要? 成長期の選手が身につけるべき5つの新常識

その我慢、本当に必要? 成長期の選手が本当に身につけるべき5つの新常識

「もっと強くなってほしい。でも、無理をさせて大きなケガにつながるのは怖い」。
成長期の選手を支える保護者や指導者であれば、誰もがこのジレンマを抱えているのではないでしょうか。

指導現場で、私は才能ある選手が「頑張りすぎ」によって競技を断念する姿を何度も見てきました。
私たちはつい、「頑張ること」や「痛みを我慢すること」を美徳として選手に求めてしまいがちです。

しかし、その「我慢」は本当に選手の未来のためになっているのでしょうか?

目先の勝利や短期的な成長だけではなく、
選手が長く競技を続け、将来にわたって自分自身の身体と向き合える力を育てるための
「5つの新常識」を提案します。


新常識①:目的は「今日の勝利」より「競技を長く続けること」

メンテナンスの真の目的は、パフォーマンス向上ではなく
「将来もプレーできる身体を守ること」です。

成長期の選手にとって最も重要なのは、一時的にパフォーマンスを上げることよりも、
選手生命を脅かすような大きなケガを防ぎ、日々の無理の積み重ねを避けることです。

今日の練習を少し休む、試合を一つ見送るという判断は、
一見すると後退に見えるかもしれません。
しかし、その判断こそが、数ヶ月、数年先の未来でプレーを続けるための
最も賢明な投資となります。

メンテナンスは、後ろ向きな「休み」ではありません。
未来に向けた積極的な「準備」なのです。

「今休ませるため」ではなく、
「将来もプレーできる身体を守るため」


新常識②:最強の能力は「痛みに耐える力」ではなく「違和感に気づける力」

「痛みを我慢する」という古い価値観から、
「自分の身体の小さなサインに気づける」という新しい価値観へ
転換することが不可欠です。

本当に強い選手とは、痛みに耐える選手ではありません。
大きな痛みになる前の「いつもと違う感覚」「身体の動かしにくさ」
「疲労の抜けにくさ」といったサインに気づき、
それを言葉にできる選手です。

この「気づく力」は、将来、競技レベルが上がったときに、
自分自身でコンディションを判断し、
ケガを未然に防ぐための最強の武器となります。

「我慢する力」は、身体からの危険信号を無視する力とも言えます。
一方で「気づく力」は、その信号を正確にキャッチし、
次にとるべき行動を判断するための力です。

成長期に必要なのは「耐える力」よりも
「判断する力」です。


新常識③:大人の役割は「管理しすぎない」こと

選手の自立を促すため、大人は「やらせる」管理者ではなく、
本人が「考える」きっかけを作る伴走者であるべきです。

ストレッチやケアを「やりなさい」と指示し、
すべてを管理してしまうと、選手は
「言われないとやらない」「形だけこなす」状態になりがちです。

これは、将来の自己管理能力の芽を摘んでしまうことにもつながります。

もちろん、「放置」や「任せきり」という意味ではありません。
「なぜこのケアが必要なのか」
「今日の自分の身体はどんな状態なのか」を
選手自身が考えられるようにサポートすることが重要です。

「育てること」と「守ること」
このバランスを取ることが、成長期の選手を支える大人の役割です。


新常識④:休むことは「遅れ」ではなく、未来への「調整」

「休んだら周りに遅れてしまう」という不安は、
短期的な視点にすぎません。

小さな違和感を抱えたまま無理を続け、
結果的に数週間・数ヶ月の長期離脱になることの方が、
よほど大きな「遅れ」につながります。

1日、2日の休養は、身体を回復させ、
次のステップに進むための重要なプロセスです。

休むことは後退ではありません。
より高く飛ぶための準備です。


新常識⑤:整体・整骨院は「治療院」ではなく「身体の学びの場」

整体や整骨院は、
「整えてもらう場所」ではなく、
自分の身体を知るための学びの場として活用できます。

専門家の視点を通じて、
「どこに負担がかかっているのか」
「なぜそうなっているのか」を理解することが重要です。

この理解が、日々のセルフケアの質を大きく高めます。

専門家との対話を通して、
自分の身体の状態を言葉にする経験は、
将来、自分自身でコンディションを管理する力の土台になります。


まとめ:未来の選手自身を守るために

今回ご紹介した5つの新常識は、
すべて「選手の今と未来を守る」ための考え方です。

  • 目的は「今日の勝利」より「競技を長く続けること」
  • 最強の能力は「痛みに耐える力」ではなく「違和感に気づける力」
  • 大人の役割は「管理しすぎない」こと
  • 休むことは「遅れ」ではなく、未来への「調整」
  • 整体・整骨院は「治療院」ではなく「身体の学びの場」

最後に、私たち指導者や保護者に問いかけたいと思います。


私たちは、選手の「今日の頑張り」だけでなく、
「10年後の健康」のために何ができるでしょうか?